社交ダンスのタンゴで「ダブル・チェース」というフィガーがあります。これは「ザ・チェース」の回転を2回続けて踊るフィガーのことを言います。
このザ・チェースを2回続けて踊ると分かっているのですが、何故か一瞬で瞬間移動したような錯覚をおこします。男子と女子が入れ替り視界が変わるからか予測しているはずですが、「あれ?」って、感じるのです。貴方も経験ありますか?
社交ダンスも上級者のダンスでは速い回転を取り入れているフィガーが多く見られます、どれも素晴らしく見ている私達にも躍動感が伝わってきます。その中でも2人が追いかけ合うような駆け引きをするストーリー性を持った「ダブルチェース」は難しい。攻略法というか上達させる方法があれば、知りたいですよね。情報をかき集めてみました。
またダンス全般に言えることですが中間バランスを保ってることは、ダンスの技術上達にとって大切になります。中間バランスのままで歩くバランスをつけるに為にウォーキング練習を取り入れてみてはいかがでしょうか。今回はその二点について、説明いたします。
「ダブルチェース」は難しい?上達させる方法が知りたい
社交ダンスのタンゴで踊るときに、よく注意を受けて意識していることは、ひざと足首を柔らかく使い、常に連動させて動かします。上体がブレないように下腹を常にへコませて、背中の下肋骨部分の筋肉でホールドを持ち上げ支えて、肩はリラックスをさせて踊ります。
また、タンゴらしく気迫を感じるダンスになる堂々たる気持ちを持って踊るようにしています。
ダブルチェース SQQQQ QQQQ
社交ダンス・タンゴのチェースには「追いかける」とか「追跡する」などの意味があります。
チェースの回転を続けてリードを行うことでダブル・チェースになります。ダブルチェースの難しいのは、つなぎの時に肩が上がってしまう事、ひょこひょこと頭が上下に動いてしまう事。左肩が下がるか、ホールドがちぢむ等々の崩れる様子が見受けられます、それではチェースの良さが消えてしまいます。
貴方はスローフォックストロットのカーブドフェザーを踊れますか?「カーブドフェザーと同じですよ」先生の一言で、なるほどね、意識して踊ってみると、猫背がのびて、自然と顔が上がり、お互いのコンタクトにも、ゆとりが出ました。タンゴの「ダブルチェース」の踊りの時には分かっていなかった動きがスムーズにできました。どうも踊っている時に「回り込まなければ」と意識をしすぎていて実際に動かしている部位が違ったようでした。
PPは2歩PPのままという法則があります。
男子、女子PPで2歩進み・3歩の時に男子が正体のクローズポジションに、次に上体が動きPPのボディポーズにボディターン。
女子は正体ポジションについって行って、次にリーダーの動きに合わせてボディターンと左足が右足後ろにロック。
男子「ダブルチェース」の3歩目の、リーダーの足の置く位置ですが、左足のトゥの向く先が「壁」です。これを曖昧に覚えてしまっていることに、原因がある場合が多いです。「壁」に面して、これを注意して守るだけでも、パートナーも確実に動きやすくなりました。
男子ボディターンは左グリップと左腕から左アッパーボディまでが一体化して同時に左側へとサッとチェンジしています。ここで腕だけ引きますと女子の行き場がなくなります。この軽い力の瞬時差がヘッドのキレに影響をしているようです。
4歩目、5歩目のQQの場面では、女子が「今度は私が前進する番」と張り切って進もうとする時に、上体が前にかぶさる様に動いてしまうと、自分の右足に突っかかり回転の妨げになります、そこで、「後退してるのに、なんで急に前進なのよ」と言うような感じで、渋々右足を前に進めるとダブルチェースがグンとやりやすくなり、上手く踊れます。この渋々足を出す感覚が頭から突っ込まない秘訣ですね。(足さばきは軽いです)左足で送り出した分量だけの歩幅で右足置く(腰の位置そのまま、そのまま。と思っていて。)
また、ヘッドチェンジを行うことで強いアクセントを演出するのがタンゴの特徴でもあります。これをダブルチェースで取り入れるのも、難しいところですね。
チェースでの女子のヘッドの向きを変える!と思うよりも、クローズポジション、プロムナードポジションをきっちり体制とると意識をもって行います。コツはヘッドが4歩目で左、6歩目で右、8歩目で左と踊ることになり、メリハリでて効果的にタンゴの技が冴えます。
音楽を表現することで、タンゴらしい動きを体で覚えることができるので、好きなタンゴ曲を沢山聞き、イメージングしても良いと思います。S(スロー)のカウントのところを音楽に合わせながらも、ギリギリ引きのばし、S&QQ(スローとクイックイッ)と表現する。ここはリーダーの感性の表現力により生まれます。
#ダブルチェース
バランス練習にウォーキングを取り入れる
両脚を揃えて立ちます、上体の位置はやや爪先よりに体重をおきボールと言われているところです。足裏のボールに(足指の付根部分)体重があります。
下腹へこますように力を集中して丹田、コアを固めます脇腹あばら骨を引き上げて、ウォークではこの時の腰の高さをたもちます。
肩甲骨下の背中からの筋力で斜め前へ持ち上げるようにして胸を広げ、
肩は下げて頭は高く、耳も持ち上げる。
脚さばきモモを上げる力は固めない反対にリラックスをさせて脚部を連動して動かします。
モモは上がりますが爪先は床に触れていて足首はストレートに真っ直ぐのびるのが理想です。
タンゴのダンスはこの足の甲を伸ばしインエッジのラインや脚のシルエットを魅せるのが大切。
ウォーキングの時ぎりぎり「もうダメだ」という瞬間に前足の爪先を上げて前足のカカトを付けます。この瞬間で止まったら後ろ足のカカトは上がっていて前足のカカトとの間に体重がある状態が理想。
頭はグラグラしないように、首は肩甲骨の中上付近が首の始まりと言われている所ですので、そこから真っすぐ頭を立てておきます。これらを意識しなくても自然体で出来るように練習します。
前進のウォーキングの練習方法
前脚の足の甲から爪先まで90度の形になるようにモモを上げて膝から先行で膝が前に出ていきます。
動かす脚の太ももを持ち上げます。「ニーファースト」で膝を前に出し、体重の乗っている足で押すことで送り足になり歩幅が決まります。
前に出した足のカカトが床にコツンと音が出ない歩き方の練習をします。
次に、前に出した足が床に着くやいなや「プル」して、すぐさま次の足を床に着いた足と横並びに揃えます、次の足の太ももが持ち上がった「ニーファースト」状態にします。
次の脚が90度の形を保ちながら後ろ足でウォークします「プッシュ」。
これを切れ間なく連続して行うことで中間バランスでのボディの上体移動をしながら「足の連動」の動きが身につけられます。
*この時使っている筋肉はダイエットに繋がる継続させる為の赤身の筋肉です。軽いフットワークが求められます。力持ちの筋肉ではありません。
後退のウォーキングの練習方法
同じように、両脚を揃えて立ちます。体重と上体は、ボールの上です。(足指付根部分)ですが、それでもボディ上体は思っているよりも、もう少し前に寄っています。(下あばら骨の部位が爪先の延長上)靴の裏全部が見えるようにしするのがコツで爪先で床の上を滑らせながら動かす足を後ろに出します。
動いた足に体重が乗るやいなやボディの上体はそのままで、次の脚が先に出した足と横並びにします、これで両腿が揃いました、その時でも動く足の靴の裏は全部見せます。これを繰り返して後退のウォーキングを行います。
THE CHASE ザ チェース
参考までに目を通してみては如何でしょうか基本の「ザ チェース」のフィガーの説明です。
男子
ステップとフット | 足の位置 | アライメント叉ダイレクション | タイミング | 回転量 | CBM |
1 H | 左足 PPで横へ | LODに沿って、壁斜めに向けて | S | ||
2 H | 右足 PPでCBMPにアクロスして前進 | LODに沿って、壁斜めに向けて | Q | 2~6の間で右へ3/4。 | CBM |
3 BのIE、H | 左足 横少し前へ | 壁斜めに面して | Q | ||
4 BH | 右足 OPでCBMPに前進 | ほぼ逆LOD | Q | 注) 4歩目で鋭く体を右へ回す | CBM |
5 BH | 左足 CBMPに後退 | ほぼ壁斜め | Q | CBM | |
6 BH、左足のBのIE | 右足 PPで小さく横へ | 中央斜めに面して | S |
女子
ステップとフット | 足の位置 | アライメント叉ダイレクション | タイミング | 回転量 | CBM |
1 H | 右足 PPで横へ | LODに沿って、中央斜めに向けて | S | ||
2 H | 左足 PPでCBMPにアクロスして前進 | LODに沿って、中央斜めに向けて | Q | 2~3の間で左へ1/8 | CBM |
3 BのIE、H | 右足 横少し後ろへ | 壁に背面して | Q | 3~6の間で左へ7/8。 | |
4 BH | 左足 CBMPに後退 | ほぼ逆LOD | Q | CBM | |
5 H | 右足 OPでCBMPに前進 | ほぼ壁斜め | Q | CBM | |
6 BH、右足のBのIE | 左足 横へ右足PPで体重をかけずに横へ置く | 中央斜めに背面して、逆中央斜めに面して | S |
注)女子は3~6の間で右へ5/8だけ回転して、男子に対して、スクエアで終わることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか、社交ダンスのダブルチェースはタンゴの中でもかなりインパクトがあります。難しいけど取り入れてみたいフィガーです。中間バランスやウォーキング練習と「ダブルチェース」の攻略法を取り入れて実行できましたら、貴方もダブルチェイスで皆様を魅了させることでしょう。お役に立てるならば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
#ダブルチェース