社交ダンスのワルツでダンスフロアーのコーナーなどで、前方が混み合っている時に、障害物をよけるように進行変更ができるベーシックフィガーのリバース・コルテと、シェイプラインが美しいホバー・コルテがあります。
少しの時間差で踊ることができますし、競技会などで前に進んで踊っている流れを切り替えるとき、次で後退の動きにつなげて踊ることによってインパクトのあるダンスになります。
ここでは、リバース・コルテとホバー・コルテについて説明いたします。
ワルツのベーシックフィガーでリバース・コルテの特徴
社交ダンスでは左回りのフィガー全般のことをリバースと言います。
リバース系の踊りは全てLOD(フロアでの踊っていく方向のコト)で示すと「中央へ進む」フィガーになります。また、コルテは「カット」の意味があります。
リバースコルテは男子が内回りで動きは小さく女子が外回りです。
女子の足型はリバースターンの後半3歩です。男子は3歩目足をそろえます。
女子が 男子の周りを歩いてステップを踏みます。
進行方行の動きを変えて反対方向に進むステップです。
リバース・コルテから続く次のフィガーは、女子をアウトサイドにリードするフィガーで行います。
リバースターンの後に続く次のフィガーは前進で、リバース・コルテの後に続くフィガーは後退のフィガーと覚えると分かりやすいですよね。
リバース・コルテの男子
1歩目右足THで後退「1~2の間で3/8左回転」(その場で2でライズしています。)
2歩目、左足H、次いで両足のT 体重をかけずに右足にクローズで「逆中央斜めに背面して」ます。
3歩目両足Tのアップでそのポジションを保ち、3の終わりでロァーをします。
男子は右足THで後退したら女子の前進の勢いを利用して回転だけを行い右足のT(トゥ)で左へ3/8回転し、女子が外側にきて後退します。
リバースコルテのフットワークは2通り。
例①
1歩目TH(右足トゥ、ヒール)CBMで真っ直ぐ。
2歩目H(左足ヒール)次いで両足のT(トゥ)スウェー右。
3歩目TH(右足のトゥ、ヒール) スウェー右。
例②第2歩はフラットで右足のボールで回転することができる。
1歩目THT(トゥ、ヒール、トゥ)CBMで真っ直ぐ。
2歩目両足のT(右足の指の付根部分で回転する)スウェー右。
3歩目TH(右足のトゥ、ヒール)スウェー右。
リバース・コルテの女子
リバース・ターンの3歩を踏んでいます。ライズ&フォールは通常のリバース・ターンと同じです。リバース・コルテのスウェイは直 右 右です。
女子は男子よりわずかに早くライズを始めます。
1歩目左足(ヒール、トゥ)と前進 LODに面して 左回転を始める 1の終わりでライズを始める
2歩目右足(トゥ)横へ 中央に面して 1~2の間で1/4 2と3 ライズ継続。
3歩目左足 右足にクローズ(トゥ、ヒール)逆中央斜めに面して 2~3の間で1/8 3の終わりでロァー。
その他にもアライメント調整できます
(b)LODに背面して 1~2の間で左へ1/2
(c)LODに背面して 1~2の間で左へ5/8
(d)中央斜めに背面して 1~2の間で左へ1/4
アライメント(b)(c)(d)を使うとき女子の回転量は。
(b)1~2の間で左へ1/4強、2~3の間で左へ1/4弱
(c)1~2の間で左へ3/8, 2~3の間で左へ1/4
(d)1~2の間で左へ1/8、2~3の間で左へ1/8
継続して踊るフィガー紹介
ロアーとライズの流れを活かしてスイングを取り入れながら、バックウイスクでつなげたりアウトサイドチェンジでもいいですし、アウトサイドスピン等はスピードが出るため迫力とインパクトがあります。
シェイプが美しいホバーコルテについて
ホバーコルテは〔空中を〕舞うとか、ほぼ同じ地点を飛ぶ。などの意味のようです。なるほど2歩目のライズで上がり高い位置でホバーを行いますから、空中で舞うイメージですね。
基本的なパターンはリバース・ターン前半の3歩に続けてホバーコルテを踊ります。
同じホバーコルテにも1拍間をホバーするものと3拍間をホバーする2つのパターンがあります。
難しそうですが美しいフィガーです。
ホバーコルテの男子は
1歩目 右足、後退TH(トゥ、ヒール)「1~2の間で3/8左回転」「体の回転を始めは少なく」ライズしてNFR
2歩目 左足T(トゥ)(ライズしながら「体の回転を継続」、左足 横少し前へ。
3歩目 TH(トゥ、ヒール)横少し後ろの右足に体重を戻す。
4歩目 左足T(トゥ)CBMPに後退 中央斜めに背面しています。
(NFRはヒールを床につけたまま、上体と脚部を伸ばすこと)
ホバー・コルテの女子は
1歩目は左足、前進HT。(CBM)
2歩目は右足T、横へ、左足は右足の方向へブラッシュ。(ブラッシュは軸足に足がタッチしない)
3歩目は左足TH、斜め前へ。
4歩目は右足H、OPでCB MPに前進。(CBM)
(OP「アウトサイドパートナー」パートナーの右外側へ右足を前進すること。)
(CB MPは「コントラリー・ボディー・ムーブメント・ポジション」と言って、ステップする足が前方とか後方へ体を横切ってステップされた位置のことを言う。)
ホバー・コルテでの女子は「1~2の間で1/4」の後、「2で1/8回転を継続」で、後半の回転は早く終わらせることになります。 ホバー・コルテのスウェイは直 右 直 直です。
(スウェイ=舞踏中、からだを左右に傾斜させること)
このホバーコルテは小節数を多くとる事ができます。
●小節数を多くとったホバーコルテ
男子 | |||||||
ステップとフット | 足の位置 | アライメント | タイミング | 回転量 | CBM | ライズ&フォール | スウェー |
1 TH | 右足 後退 | LODに背面して | 左回転を始める | CBMあり | 1の終わりでライズを始める。NFR | 直 | |
2〜5 左足T、右足Tの IEでプレッシャー | 左足 横少し前へ | 壁斜めに向けて |
1〜2の間で3/8 体の回転量を少なく
|
2〜5 ライズを継続 | 右 | ||
3〜5 | 右足 左足の方向へ |
6のアライメントの方向へ
|
体の回転を継続 | 右 | |||
4 | 右 | ||||||
5 | 右 | ||||||
6 TH | 横少し後ろの右足へ体重を戻す |
逆中央斜めに背面して
|
アップ。6の終りでロァー | 直 | |||
7 T | 左足 CBMPに後退 |
逆中央斜めに背面して
|
CBMあり | 直 | |||
女子 | |||||||
ステップとフット | 足の位置 | アライメント | タイミング | 回転量 | CBM | ライズ&フォール | スウェー |
1 HT | 左足 前進 | LODに面して | 左回転を始める | CBMあり | 1の終わりでライズを始める | 直 | |
2 T | 右足 横へ | 中央に面して |
1~2の間で1/4
|
2~5ライズ継続 | 左 | ||
3~4右足T、左足TのIE | 左足 右足の方向へブラッシュ |
5のアライメントの方向へ
|
3~5の間で1/8回転を継続 | 左 | |||
左 | |||||||
5右足T、左足TのIE | 左足 右足へブラッシュ |
逆中央斜めに面して
|
左 | ||||
6 TH | 左足 斜め前へ |
逆中央斜めに面して
|
アップ。6の終わりでロァー | 直 | |||
7 H | 右足 OPでCBMPに前進 |
逆中央斜めに面して
|
CBMあり | 直 |
継続して踊るフィガー紹介
左足後退からのワルツ ステップで行うことができます。
バックウィスク。アウトサイドスピン。アウトサイドチェンジなど。また、セイムフットランジとディベロパ~キックは人気のある組み合わせでとても美しい流れのフィガーです。
ワルツ音楽の小節数をさらに多く取って行えるフィガーにホバー・コルテの第1歩目の右足を後退でPPから右足を前進に置き踊ることができます。
(例)「オープン・テレマークからレフト・ホバー」「ウィーブ・フロム・PPをPPで終わりレフト・ホバー」「シャッセ・フロム・PPから足閉じないで踊ってレフト・ホバー」などが可能です。
ではどのフィガーからホバーコルテにつなぎますか?
先行して踊っているフィガーは。
リバースターンの1~3歩。
ナチュラル・スピンターン。
クローズド・インピタス。
回転の少ないアウトサイド・スピン。
まとめ
いかがでしたか、ワルツのリバース・コルテと難易度が高いホバー・コルテ、どちらも進行方向をかえれますし、続くフィガーで優雅に障害物回避ができる様になりましたら上級者ダンサーの仲間入りです。貴方の社交ダンスダンスがますます光り輝きますように、参考になりましたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。